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株主優待をタダで入手できる(クロス取引)とは

株式投資の初心者の場合、株主優待を手に入れるためには、権利確定日を過ぎるまで銘柄を保有し続けることが、唯一の方法と考えがちです。
また、権利確定日を過ぎるまで銘柄を保有し続ければ、株主優待だけではなく、配当金の権利も獲得できるためメリットが大きいと考えがちです。
しかし、株主優待や配当金を得る権利確定日を過ぎるまで、銘柄を保有し続ける行為には、リスクが伴います。権利確定日の翌営業日から株価が下落してしまうリスクです。
この点を、株式投資の初心者は見落としてしまう傾向があります。
ただし、この株価下落リスクを回避する手法があります。それが、つなぎ売りです。つなぎ売りとは、現物株の買いポジションを持っている銘柄について、信用取引で空売りをすることです。
具体的には、A社の株主優待を得るために必要な保有株式数は100株とします。
権利確定日当日に株価900円で同時に現物株の買い注文と、信用取引の空売り注文を100株ずつ出して約定させるのです。
そうすれば、株価が900円のときに買いポジションと売りポジションを100株ずつ保有したことになるため、株価変動に対するリスク回避策をとれたことになるのです。ただし、リスク回避策をとるために、売買手数料を多めに証券会社に支払う形となります。
権利確定日の翌営業日に、現物株の買いポジションと信用取引の空売りポジションをクロス取引させることによって、決済を行います。
これによって、株価の変動というリスクを回避し、クロス取引の手数料と1日分の空売りの金利を証券会社に支払うことで、株主優待を得ることができるのです。なお、クロス取引を行うため、配当金を手に入れることはできません。
空売りポジションを持ったまま権利確定日を迎えてしまうと、空売りポジションを持った人は配当金相当額を負担しなければならないためです。
このため、買いポジションによって得られる配当金は、空売りポジションを持つことによって相殺されることになります。

クロス取引はリスクもあるので注意が必要

自分が気に入った銘柄の株主優待を手に入れるためには、現物株を権利確定日をまたいで保有する必要があります。
しかし、一方では株価変動リスクを回避するために、つなぎ売りを実施して権利確定日の翌営業日にクロス取引を実施する必要があります。
この、つなぎ売りとクロス取引という手法が、年々世間に知られ始めています。個人投資家向けの月刊誌が、株主優待をノーリスクで手に入れる方法として、つなぎ売りやクロス取引を行うことを推奨しているためです。
このため、近年は銘柄の株主優待を手に入れるために用いたつなぎ売りの手法が裏目に出てしまい、大失敗となるケースが散見されます。
具体例としては、ある上場企業が、1500円分相当のたこ焼き購入券を株主優待として設定していました。ところが多くの個人投資家が、1500円分のたこ焼き購入券を求めて、権利確定日に現物株の購入と同時につなぎ売りとして信用取引の空売りを行ったのです。
一気に信用取引の空売りが増加したため、高額の逆日歩が発生したのでした。
逆日歩とは、株式を貸し出してくれる人へ支払う手数料です。
権利確定日に空売りの需要が急増したため、逆日歩の金額が高騰してしまい、このケースでは1株あたり135円支払う必要が生じたのです。株主優待の権利を獲得するためには100株保有する必要があったため、100株の空売りも実施しなければなりません。
つまり、13500円の逆日歩コストを支払って、1500円分のたこ焼き購入券を入手した形となったわけです。
このケースでも、株価変動リスクについてはノーリスクとすることができたのですが、高額の逆日歩コストが発生したため、結果的には大失敗に終わり、高級たこ焼きを買う羽目に陥ってしまったのでした。
この件で得られた教訓は、逆日歩リスクを避けて株主優待を獲得するためには、あらかじめ人気が殺到しそうな銘柄を避ける必要があるということでした。

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